セーヌ川左岸のRue du Bacにある文具店、1939年創業の「STYLO BAC」をご紹介します。
店内は古き良き時代を感じさせる落ち着いた雰囲気の、いかにもパリの古い文房具店です。
ショーケースに陳列された筆記具や革小物の他、壁面にはクオバディスが一員となっている「エグザコンタ・クレールフォンテーヌ」グループのGラロの便箋、クレールフォンテーヌのノートなどが、一面に並んでいます。
創業当時から文房具の販売だけでなく、子供の誕生や結婚などの際に使う名前入りの案内状を活版印刷で請け負うなど、長く地域の人たちに支えられて商売を営んできたそうです。
下の方の少し見えにくい場所でしたが、クオバディスのダイアリー「ミニスター」の2016年版も並んでいます。
店主によると、最近この地区のアパルトマンの持ち主は外国人が多くなったそうで、地域の人々の活版印刷の注文も商品の売上もめっきり減ってしまい、残念ながら店を売りに出すことに決めたとのこと。
「35年ここで商売してきたけれど、すっかり文具店に来る人---特に若者が減ってしまった。それは肌で感じるよ」と言っていました。
80年近くにわたってパリの街並みを見つめ続けてきたショーウィンドーの文具たち。
どの業態も時代の変化にあわせていく必要はありますが、それでも歴史とおもむきのある文具店が減ってしまうのは、やっぱり寂しいことですね。
STYLO BAC
住所 68 rue du Bac, 75007 PARIS
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